特定都市河川浸水被害対策法 = 特定都市河川雨水浸透阻害行為 = 河川新法 = 新川新法

特定都市河川浸水被害対策法の基礎

大都市周辺では急激に都市化が進み、従来地下に浸透していた雨水が一気に河川に流れ込むようになって、「都市型水害」が発生するようになりました。
特定都市河川浸水被害対策法の規制は、「開発後にその土地から流出するピーク水量を増大させない」というのが、基本的な考え方です。

もちろん、生態系や地下水の保護まで考えれば、単にピーク水量を減少させるだけでなく、雨水をできるだけ地下に浸透させるという姿勢が重要だと考えます。

新川が特定都市河川に指定された経緯

大都市周辺では急激に都市化が進んでいます。新川流域では、1950年には市街化率が10%でしたが、1997年には60%になっています。
農耕地だと雨水は地下に浸透し、河川に流れ込む表流水(地表を流れる水)は抑制されていましたが、市街化が進みコンクリートなどに覆われた不浸透域が増大すると、短時間に多量の表流水が河川に流れ込むようになりました。
その結果、都市部の河川では、平常時は流量が極端に少ない反面、台風時などに、流域に降った雨水が集中して流出し、浸水被害が発生する「都市型水害」が発生するようになりました。
さらに、近年ではヒートアイランド現象により、愛知県でも従来考えられなかったような集中豪雨が多く発生し、都市型水害の規模が大きくなっています。
平成12年の東海水害で愛知県に多大な被害が出たのは、記憶に新しいでしょう。

「都市型水害」に対しては、従来のように河川の改修だけで対応することが困難になり、河川に流入する表流水を減少させるため新川流域を特定都市河川に指定し、平成18年1月1日から500u以上の開発を行なう際には雨水貯留浸透施設の設置を義務付けるようになりました。

平成19年現在、愛知県の新川と、東京都・神奈川県の鶴見川と、大阪府の寝屋川の3河川が、特定都市河川に指定されています。
余談ですが、私は現在愛知県の新川流域に住んでいますが、13歳〜28歳まで寝屋川の源流近くに住み、大阪府立寝屋川高校に通っていました。  また、鶴見川そばの電気安全環境研究所には何度も足を運びました。  河川新法とは深い縁があるのかも知れません。

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雨水浸透阻害行為とは

「雨水浸透阻害行為」とは読んで字のごとく、地表に落ちた雨水が地下に浸透するのを妨げる行為の事です。
例えば、畑なら雨水が地下に浸透しやすいですが、畑を埋め立てて砕石敷きの駐車場にしたら、雨水が地下に浸透しにくくなりますよね。 あるいは、元々砕石敷きだった駐車場をアスファルト舗装にしたら、雨水はほとんど地下に浸透しなくなります。
他にも色々と事例はありますが、とにかく少しでも雨水の地下浸透を阻害して、河川へ流出する雨水量を増加させる行為は、全て「雨水浸透阻害行為」になると考えてください。
特定都市河川浸水被害対策法に基づき許可の対象となる雨水浸透阻害行為の図2
上の図を拡大する
上の図で説明すると「宅地等以外」の原野・山地・農地・林地は同じグループに属していますので、例えば山地を開拓して農地にする場合には「雨水浸透阻害行為」にはならず、許可申請は不要です。
同様に、「宅地等」の宅地・道路・水面・飛行場・鉄道線路も同じグループなので、ため池を埋め立てて住宅地にする場合には「雨水浸透阻害行為」に関する許可申請は不要です。
間違えやすいのは、「未舗装道路を舗装する場合」です。道路は舗装・未舗装に関わらず「宅地等」に含まれるので、未舗装道路を舗装するのは「雨水浸透阻害行為」に該当しません。
上の図の中で別グループに変更して「雨水浸透阻害行為」にならないのは「不浸透性材料で舗装された土地」から「宅地等」への変更だけです。

もちろん、上図の矢印の逆方向の変更については、雨水が地下に浸透しやすくなる行為なので、「雨水浸透阻害行為」ではありません。
例えば、「宅地等」のため池から「宅地等以外」の原野に変更する場合は、「雨水浸透阻害行為」ではありません。

では、「農地」「宅地」等は何を基準に判断するのでしょうか。
まず、判断指標の基本事項とするのは、登記簿に記載された地目です。
しかし、それでは現状の土地利用を正確に反映しないので、「決定にあたっては許可権者である都道府県知事が特定都市河川流域指定時点及び申請時点の土地利用を登記書類及び現地写真、航空写真等により判断することとし、これにより難い場合は申請者の課税の状況や農業委員会の意見を聴取し、総合的に判断する」ことになっています。
例えば「過去において建物の用に供されていたことが明らかな土地は、一度宅地であった土地と同様に雨水が浸透しにくい土地であると想定されるため、宅地として取扱うものとする」とされています。

特定都市河川浸水被害対策法の対象である愛知県の新川流域では、上記のような「雨水浸透阻害行為」の面積が500u以上の場合には、愛知県知事等に許可申請して、技術基準に適合した雨水貯留浸透施設を設置しなければなりません。

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基本的な考え方

前述したように、特定都市河川浸水被害対策法の規制は、「開発後にその土地から流出するピーク水量を増大させない」というのが、基本的な考え方です。
重要なのはあくまでも「ピーク流出量」であって、雨が降り始めてから止むまでの敷地からの「総流出量」が増えてもかまいません。

「雨水浸透阻害行為」によって地下に浸透しなくなった雨水は、表流水になって敷地外に出ようとします。この水を「浸透施設」を作って地下に浸透させたり、「貯留施設」で雨水を溜めながらオリフィスで徐々に敷地外に排水することにより、「ピーク流出量」を開発前より増加させないようにするのです。

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